SPI・玉手箱・TG-WEB・SCOAの見分け方|各社公式の科目と時間から判別する
「適性検査を受けてください」という案内だけが届き、それがSPIなのか別のテストなのか分からない。就職活動で最も多い困りごとのひとつです。 見分ける手がかりは3つあります。案内メールに書かれた検査名、画面に出る科目の組み合わせ、そして実際に出てくる問題の中身です。この順番で確認すれば、ほとんどの場合は特定できます。 この記事では、SPI3(リクルートマネジメントソリューションズ)、玉手箱Ⅲ・GAB(日本エス・エイチ・エル)、TG-WEB(ヒューマネージ)、SCOA(NOMA総研)について、各社が自社サイトで公表している科目構成と検査時間だけを根拠に判別手順をまとめます。就活情報サイトで広く共有されている「URLで見分ける方法」や「従来型・新型」といった呼び方も扱いますが、それが公式の情報なのかどうかは区別して書きます。 そのうえで、当サイトが収録している非言語16分野・419問を各社の公式科目名に照らして対応づけ、「SPIの対策がどこまで他社に流用できるのか」を示します。結論を先に書くと、科目名のレベルでは419問のうち約92%が他社のいずれかの科目に対応づけられます。
まず、この3ステップで確認する
テストの種類を特定する手順は決まっています。上から順に試して、分かった時点で止めてください。
- ステップ1:企業から届いた案内メールに書かれた検査名を確認する。「SPI3」「玉手箱」「TG-WEB」「SCOA」といった商品名が書かれていれば、それが答えです。書かれていなくても「基礎能力検査」「適性アセスメント」など、呼び方に手がかりが残ることがあります
- ステップ2:受検開始画面に出る科目名と、科目ごとの制限時間を見る。4社は科目の組み合わせと時間配分が公式仕様として異なるため、ここでほぼ絞れます
- ステップ3:最初の1問を見る。等式の空欄を埋める形式、図表を読んで数値を出す形式、学校で習った知識を問う形式は、それぞれ提供会社が違います
- どれでも分からなかった場合は、特定を諦めてSPIの対策を進めるのが最も損の少ない選択です。理由は後半で書きます
4つのテストは、提供している会社が違う
同じ「適性検査」でも、開発・提供している会社が別です。会社が違えば測ろうとしているものも違うので、まずここを押さえると全体像がつかめます。
- SPI3 ― リクルートマネジメントソリューションズ。「能力検査」と「性格検査」の2本立てで、能力検査は職種の違いを越えて共通して要求される知的能力を測ると公式に説明されています
- 玉手箱Ⅲ・GAB・CAB・RAB ― 日本エス・エイチ・エル(SHL)。1社が複数の商品を持っているため、「SHLのテスト」と言われても中身が特定できません
- TG-WEB ― ヒューマネージ。2000年のリリース以降1,000社以上が利用しているとされ、知的能力検査とコンピテンシー系の検査が細かく分かれています
- SCOA ― NOMA総研(日本経営協会総合研究所)。累計受検者数800万名以上と公表されており、民間企業だけでなく地方自治体でも使われています
科目の組み合わせで見分ける
受検開始画面に並ぶ科目名は、各社が公式に公表している仕様そのものです。ここが最も確実な手がかりになります。 SPI3は「能力検査」と「性格検査」の2本立てで、能力検査の中身は言語と非言語(企業が選べば英語や構造的把握力も追加されます)です。科目名として「言語」「非言語」という言い方が出てくるのは、この4社の中ではSPIだけです。 玉手箱Ⅲは公式仕様が「言語(大意把握)」「計数(四則逆算)」「英語」とパーソナリティです。英語が標準科目として最初から組み込まれている点が特徴で、SPIでは英語は企業が任意で追加するものなので、そこが分かれ目になります。 TG-WEBは知的能力検査そのものが商品として分かれています。公式ラインナップに載っているのは「i9(判断推理力検査)」「C3(考察力検査)」「J3(事務処理能力検査)」「P3(一般常識検査)」で、企業がこの中から選んで組み合わせます。 SCOA-Aは「言語」「数理」「論理」「常識」「英語」の5尺度です。「論理」と「常識」が独立した科目として並ぶのはSCOAだけで、これが最も分かりやすい判別点になります。
制限時間で見分ける
科目名が分からなくても、時間の切り方で絞り込めます。各社の公式仕様は次のとおりです。
- 玉手箱Ⅲ ― 合計49分。言語・計数・英語がそれぞれ約10分ずつ。「1科目あたり10分前後で次に進む」という進み方をしたら玉手箱Ⅲの可能性が高いです
- TG-WEB i9 ― 言語・数理に関する論理的思考力を30分で測定すると公式に記載されています。テストセンター方式での受検時間は約30分と案内されています
- SCOA-A ― 5尺度で60分(SCOA-Aの製品ページでは45〜60分と幅を持たせた記載もあります)。短縮版のSCOA-iはWeb方式のみで4尺度・20分、2026年に登場したSCOA-i2は3尺度・60分でテストセンターに対応しています
- SPI3 ― 検査時間を明記した公式ページを確認できていません。受検案内や開始画面に表示される時間に従ってください
検査名の付け方で見分ける
案内メールに商品名が書かれていなくても、検査の呼び名から提供会社を推測できる場合があります。命名の癖が会社ごとにはっきり違うからです。 アルファベット1〜2文字+数字1桁の組み合わせ(i9、C3、J3、P3、A8、B5、E9、G9、W8、Q1、U1、P8)が出てきたら、ヒューマネージのTG-WEBです。これは公式ラインナップの命名規則そのままなので、かなり信頼できる手がかりです。 「SCOA-A」「SCOA-B」「SCOA-C」「SCOA-i」のように、ブランド名にハイフンと1文字が付く形はNOMA総研のSCOAです。Aが基礎能力、Bがパーソナリティ、Cが事務能力を指します。 「玉手箱Ⅲ」「WebGAB」「C-GAB」「WebCAB」「WebRAB」はすべて日本エス・エイチ・エルの商品名です。頭に「Web」が付くものはWeb方式、「C-」が付くものはテストセンター方式を指します。 SPI3は、案内の中で「能力検査」「性格検査」という言い方が使われることが多く、また性格検査を先に自宅で受け、その後に会場を予約するという二段構えの流れになるのが特徴です。この流れが出てきたらテストセンター方式のSPI3です。
問題の中身で見分ける(1問見れば分かる)
最も速いのは、最初の1問を見る方法です。以下は各社が公式に公表している出題形式に基づく判別点です。
- 等式の中の空欄に入る数を次々に答えさせる形式 ― 玉手箱Ⅲの計数「四則逆算」です。公式には「簡単な四則演算を組み合わせた等式中の未知数を求める」と説明されています。日本エス・エイチ・エルのWebCABにも同じ四則逆算が含まれます
- 図表が与えられ、そこから数値を読み取って計算する形式 ― 日本エス・エイチ・エルのGAB系です。公式の比較表では、WebGABの計数は「図表理解」と明記されています
- 1,000文字程度の文章を読んで、筆者の主張に最も近い選択肢を選ぶ形式 ― 玉手箱Ⅲの言語「大意把握」です。文中の記述の正誤を1つずつ判定していく形式ではなく、全体の趣旨を1つ選ぶ点が違います
- 中学・高校で習った教科知識をそのまま問う設問が混ざる ― SCOAです。公式には5尺度のうち「常識」「英語」は学力検査的内容、「論理」は主に知能検査的内容、「言語」「数理」は両方を含むと説明されています。知識問題が出るのはこの4社ではSCOAだけです
- 法則性・命令表・暗号といった科目名が出る ― 日本エス・エイチ・エルのCAB系です。IT・技術職やデジタル人材向けの商品なので、応募職種と合わせて考えると判断できます
- 「二語の関係」「損益算」「推論」「代金の精算」といった型が並ぶ ― SPIです。この粒度の分野名は他社の公式科目名には存在しません
玉手箱とGABは、同じ会社の別商品
混同が最も多いのがここです。玉手箱とGABはどちらも日本エス・エイチ・エルの商品で、公式の比較表では次のように整理されています。 玉手箱Ⅲは「言語(大意把握)」「計数(四則逆算)」「英語」で、テストセンター方式は「なし」です。つまり、テストセンター会場に出向いて受けたのであれば、それは玉手箱Ⅲではありません。 WebGABは「言語(論理)」「計数(図表理解)」で、テストセンター方式があります。テストセンター版はC-GABと呼ばれ、そこでは英語も実施されます。 同じ「SHLのテスト」でも、計数が四則逆算なのか図表理解なのかで対策が変わります。過去に受けた人から「玉手箱だった」と聞いていても、実際に図表の読み取りが出た場合はGAB系だった可能性があります。就活情報サイトが「玉手箱の計数には3形式ある」と説明していることがありますが、公式の玉手箱Ⅲの仕様に載っているのは四則逆算だけです。同じ会社の商品同士で形式が共通しているために、まとめて語られているものと理解してください。 なお、日本エス・エイチ・エルにはWebRAB(言語=論理、計数=推論)もあります。「推論」という科目名が出てきた場合、SPIの推論とは別物である可能性を考えてください。
「従来型・新型」は、TG-WEB公式の呼び名ではない
TG-WEBの対策記事では「従来型(旧型)」「新型」という区別が定番になっています。難易度の高い少数の問題をじっくり解かせるのが従来型、易しい問題を大量に速く解かせるのが新型、という説明です。 ただし、ヒューマネージの公式ラインナップにこの呼び名は載っていません。公式に掲載されているのは知的能力検査としての「i9」「C3」「J3」「P3」という商品名です。「従来型・新型」は、受検した人の報告をもとに就活情報サイト側で整理された呼び方だと考えるのが正確です。 実務上はこの区別に意味があります。問題数と検査時間の組み合わせ(少数の問題に長い時間か、多数の問題に短い時間か)で解き方の方針が変わるからです。ただ、公式の呼び名ではないため、企業からの案内にこの言葉が出てくることは期待できません。開始画面に表示される問題数と時間を見て、その場で方針を決めることになります。 TG-WEBは実施方法も4つ公表されています。オンラインAI監視型の「TG-WEB eye」、自宅や大学のパソコンから受けるWEB方式、全国47都道府県の主要都市260ヶ所に設置されたテストセンター方式、企業会場でのマークシート方式です。TG-WEB eyeはAIが替え玉受検やカンニングを監視する方式で、事前予約なしで自宅から受検できると案内されています。
SCOAだけは、対策範囲がはっきり別
4つの中でSCOAだけは、他の3つと勉強すべき内容が重なりません。理由は「常識」という尺度があることです。 NOMA総研の公式説明では、SCOA-Aは知能検査的内容と学力検査的内容の両方を含み、5尺度のうち「常識」「英語」は学力検査的内容にあたるとされています。「知能」「学力」の両方が一定水準あってはじめて知的能力が発揮される、という考え方で設計された検査です。 これは、SPI・玉手箱・TG-WEBが「学力ではなく業務遂行に求められる知的能力を測る」という方向で設計されているのと、はっきり違います。日本エス・エイチ・エルは玉手箱Ⅲについて、学力ではなく業務遂行に求められる知的能力を測定していると明言しています。 実際の影響として、当サイトが収録している33分野・700問の中に、SCOAの「常識」に対応する分野は1つもありません。SPIの対策をどれだけ進めても、この尺度は埋まらないということです。志望先がSCOAを使うと分かっている場合(自治体や、事務職の採用で使われることがあります)は、SCOA専用の準備を別に立てる必要があります。 逆に言えば、SCOAの「言語」「数理」「論理」はSPIの対策と重なります。SCOAだと分かってから慌てるのではなく、「常識」の分だけ追加で用意する、という考え方で足ります。
受検方式では見分けられない
「テストセンターで受けたからSPIだろう」という推測は成り立ちません。4社すべてがテストセンター方式を持っているためです。 SPI3はテストセンター(リアル会場・オンライン会場)、Webテスティング、ペーパーテスティング、インハウスCBTの4方式。日本エス・エイチ・エルはWeb方式とテストセンター方式(C-GAB)、マークシート方式。TG-WEBはTG-WEB eye・WEB方式・テストセンター方式・マークシート方式の4つ。SCOAはテストセンター方式・Web方式・マークシート方式で、テストセンター方式には自宅からオンライン監督官の監視下で受ける形(OLTC)も含まれます。 つまり「自宅のパソコンで、監督者に見られながら受けた」という状況は、SPI3のオンライン会場でもSCOAのOLTCでもTG-WEB eyeでも起こりえます。方式から会社を逆算することはできません。 同じ理由で、電卓の可否から推測するのも危険です。SPIについては、テストセンターは公式のよくある質問で「検査中は計算機は使用できません」と明記されていますが、玉手箱・TG-WEB・SCOAの電卓可否を明記した公式ページは確認できていません。判断材料としては使えないので、受検前に表示される注意事項に従ってください。
URLで見分ける方法は、どこまで信じられるか
就活情報サイトでは、受検ページのURLのドメインからテストの種類を判別する方法が広く共有されています。実際に当たることも多く、便利な方法です。 ただし、扱い方には注意が必要です。この対応表を公式に案内している提供会社はありません。受検した人の報告を集約したもので、システムの更新やドメインの変更で変わりうる情報です。年度によって当てはまらなくなる可能性を前提に見てください。 そのうえで、URLを確認する意味はあります。合っていれば準備の方向が決まり、外れていても失うものがないからです。ただ、URLだけを根拠に「玉手箱ではないから四則逆算の練習は不要だ」といった判断をするのは避けてください。判断の順序としては、この記事のステップ2(科目と時間)とステップ3(問題の中身)を優先し、URLは補助的な確認に使うのが安全です。 もう一点、確度が高くて見落とされがちな方法があります。企業の採用ページや説明会資料に検査名が書かれている場合があること、そして受検案内メールのフッターや送信元ドメインに提供会社の名前が残っている場合があることです。案内は隅々まで読んでください。
見分けられないときは、SPIを軸に置く
現実には、受検直前まで種類が分からないことがあります。同じ企業でもインターン選考と本選考で使うテストが変わることもあります。 この状況での合理的な選択は、SPIの対策を軸に置くことです。理由は2つあります。 1つは、SPIが4社の中で最も出題範囲が広く、他社の科目と重なる部分が多いことです。SPIの推論はTG-WEBのi9(判断推理力)やSCOAの「論理」と方向が同じで、SPIの表の読み取りや長文読み取り計算はGAB系の図表理解と重なります。SPIのWebテスティング専用分野である「文字式・方程式」「整数の推測」は、玉手箱Ⅲの四則逆算に形式が近いものです。 2つ目は、電卓なしで手計算する力が共通して要求されることです。テストの種類が変わっても、限られた時間で正確に計算を詰める力は使い回せます。当サイトの「SPIで電卓は使える?」の記事で書いたとおり、非言語419問のうち約94%は電卓が使えない形式でも出題されるため、この前提で練習しておけば形式が変わっても崩れません。 下の表は、当サイトの非言語16分野を、各社が公式に公表している科目名に照らして対応づけたものです。
分野別・他社テストで近い公式科目
当サイトが収録している非言語16分野・419問を、日本エス・エイチ・エル・ヒューマネージ・NOMA総研が公式に公表している科目名に照らして対応づけました。科目名のレベルで対応先があるのは14分野・385問(約92%)で、対応先が見当たらないのは「料金割引」「代金の精算」の2分野・34問だけです。SPIの対策は、そのまま他社テストの土台になります。ただしこれは公表された科目名同士の対応であり、実際にその分野が出題されることを保証するものではありません。
| 分野 | 近い公式科目 | 問題数 |
|---|---|---|
| 推論 | TG-WEB「i9(判断推理力)」・SCOA「論理」。流用度が最も高い | 58問 |
| 集合 | TG-WEB「i9(判断推理力)」・SCOA「論理」 | 32問 |
| 表の読み取り | GAB系の計数「図表理解」に最も近い | 12問 |
| 長文読み取り計算 | GAB系の計数「図表理解」 | 12問 |
| 割合と比 | GAB系「図表理解」の百分率計算・SCOA「数理」 | 42問 |
| 損益算 | SCOA「数理」。玉手箱Ⅲ「四則逆算」の計算力も重なる | 43問 |
| 速度算 | SCOA「数理」 | 42問 |
| 確率 | SCOA「数理」 | 42問 |
| 仕事算 | SCOA「数理」 | 22問 |
| 場合の数 | SCOA「数理」・TG-WEB「i9」 | 22問 |
| 平均 | SCOA「数理」・GAB系「図表理解」 | 22問 |
| 年齢算 | SCOA「数理」 | 12問 |
| 文字式・方程式 | 玉手箱Ⅲ「計数=四則逆算」に形式が最も近い | 12問 |
| 整数の推測 | 玉手箱Ⅲ「計数=四則逆算」に形式が近い | 12問 |
| 料金割引 | 対応先なし(SPI固有。テストセンター・ペーパーのみ) | 22問 |
| 代金の精算 | 対応先なし(SPI固有。テストセンター専用) | 12問 |
1分で判別する練習
受検開始画面を想定した3問です。それぞれどのテストの可能性が高いか、根拠まで言えるか試してください。
Q1. 開始画面に「言語」「計数」「英語」の3科目が並び、それぞれの制限時間が約10分と表示されている。最初の問題は「□×7−15=41 の□に入る数を選べ」だった。
答えを見る
玉手箱Ⅲの可能性が高いです。根拠は3つ重なっています。(1)英語が標準科目として最初から組み込まれている、(2)1科目あたり約10分という時間配分が公式仕様と一致する(合計49分)、(3)等式の未知数を求める形式は公式に「四則逆算」として計数の出題形式に挙げられている。なお同じ四則逆算は日本エス・エイチ・エルのWebCABにも含まれるため、IT・技術職への応募であればCAB系の可能性も残ります。SPIでこの形式に最も近いのは「文字式・方程式」ですが、これはWebテスティング専用の12問しかなく、SPI対策の主戦場ではありません。
Q2. 科目名が「i9」と表示され、制限時間は30分。言語と数理が混在した問題が出ている。
答えを見る
TG-WEBです。「i9」はヒューマネージの公式ラインナップにある判断推理力検査の商品名で、「言語・数理に関する論理的思考力を30分の検査で測定」と公式に説明されています。アルファベットと数字1桁を組み合わせた検査名(i9・C3・J3・P3・A8・B5など)はヒューマネージの命名規則なので、この形を見たらTG-WEBと判断できます。対策としてはSPIの推論58問が最も近い訓練になります。
Q3. 「言語」「数理」「論理」「常識」「英語」の5科目、合計60分。設問の中に、学校で習った教科知識をそのまま問うものが混ざっている。
答えを見る
SCOA-Aです。5尺度・60分という仕様が公式の記載と一致します。決定的なのは「常識」が独立した科目として存在することで、NOMA総研は5尺度のうち「常識」「英語」を学力検査的内容と説明しています。この4社の中で教科知識を正面から問うのはSCOAだけです。当サイトの33分野には「常識」に対応する分野がないため、この科目はSPI対策では埋まりません。志望先がSCOAを使うと分かった時点で、別枠で用意してください。
この記事の根拠について
適性検査の仕様は、提供会社が商品を更新すれば変わります。この記事では、4社が自社サイトで公表している内容(2026年7月時点)に限って事実として記載し、確認できなかったことは「確認できていない」と書きました。 参照したのは、リクルートマネジメントソリューションズのSPI公式サイトおよびテストセンター向けよくある質問、日本エス・エイチ・エルの玉手箱Ⅲ製品ページと自社4検査の比較コラム、ヒューマネージのTG-WEBラインナップおよび実施方法のページ、NOMA総研のSCOA総合適性検査およびSCOA-Aのページです。 公式に確認できなかった主な項目は次の3つです。(1)SPI3の各方式の検査時間、(2)玉手箱・TG-WEB・SCOAの電卓可否、(3)就活情報サイトで共有されているURLとテスト種別の対応表、およびTG-WEBの「従来型・新型」という区分。これらは本文でもその都度明記しました。 最終的な根拠は、企業から届いた受検案内と、受検開始前に表示される注意事項の画面です。そこに書かれている内容が、この記事を含むどの情報源よりも優先されます。
よくある質問
Q.受けるテストがSPIかどうかを、いちばん早く確かめる方法は?
A.案内メールの検査名を見ることです。それで分からない場合は、開始画面の科目名を確認してください。「言語」「非言語」という言い方が出てくるのは、この4社の中ではSPIだけです。また、性格検査を先に自宅で受けてから会場を予約する二段構えの流れになっていれば、テストセンター方式のSPI3です。逆に「i9」「C3」のようなアルファベット+数字の検査名はTG-WEB、「常識」という科目が並んでいればSCOA、英語が標準科目で各科目10分前後なら玉手箱Ⅲです。
Q.玉手箱とGABは何が違うのですか?
A.どちらも日本エス・エイチ・エルの商品ですが、計数の出題形式が違います。公式の比較表では、玉手箱Ⅲの計数は「四則逆算」、WebGABの計数は「図表理解」と整理されています。また玉手箱Ⅲにはテストセンター方式が「なし」と明記されているため、テストセンター会場で受けたのであれば玉手箱Ⅲではなく、GAB系(テストセンター版はC-GAB)だったと考えられます。玉手箱Ⅲは英語が標準科目に入っていて合計49分、言語・計数・英語が各約10分です。
Q.TG-WEBの「従来型」と「新型」はどちらが出るか事前に分かりますか?
A.事前には分かりません。そもそも「従来型」「新型」はヒューマネージが公式に使っている呼び名ではなく、受検者の報告をもとに就活情報サイト側で整理された区分です。公式ラインナップに載っているのは知的能力検査としての「i9」「C3」「J3」「P3」という商品名です。実務上は、開始画面に表示される問題数と制限時間の組み合わせを見て、その場で解き方の方針(じっくり解くか、速く数をこなすか)を決めることになります。
Q.SCOAの対策はSPIの対策で兼ねられますか?
A.部分的にしか兼ねられません。SCOA-Aは「言語」「数理」「論理」「常識」「英語」の5尺度で、このうち「常識」「英語」はNOMA総研が学力検査的内容と説明している科目です。「言語」「数理」「論理」はSPIの対策と重なりますが、「常識」に対応する分野は当サイトの33分野・700問の中に1つもありません。志望先がSCOAを使うと分かっている場合は、この尺度だけ別に用意する必要があります。逆に言えば、追加で必要なのはその1科目分だけです。
Q.テストセンターで受けるなら、SPIだと考えていいですか?
A.いいえ。4社すべてがテストセンター方式を持っています。日本エス・エイチ・エルはC-GAB、ヒューマネージは全国260ヶ所のテストセンター方式、NOMA総研もテストセンター方式を公表しています。さらに「自宅のパソコンで監督者に見られながら受ける」形も、SPI3のオンライン会場・SCOAのOLTC・TG-WEB eyeのいずれでも起こりえます。受検方式から提供会社を逆算することはできないので、科目名と問題の中身で判断してください。
Q.URLで見分ける方法は使えますか?
A.補助的には使えますが、それだけを根拠に対策範囲を決めるのは避けてください。受検ページのドメインからテストの種類を判別する対応表は就活情報サイトで広く共有されていますが、これを公式に案内している提供会社はありません。受検者の報告を集約したもので、システム更新やドメイン変更で変わりうる情報です。判断の順序としては、案内メールの検査名、開始画面の科目名と制限時間、最初の1問の形式を優先し、URLは確認の裏づけとして使うのが安全です。
Q.どのテストか分からないまま準備を始める場合、何から手を付けるべきですか?
A.SPIの非言語を軸に、電卓なしで解く前提で進めてください。SPIは4社の中で最も出題範囲が広く、当サイトの非言語16分野・419問のうち14分野・385問(約92%)は他社が公表している科目名に対応先があります。推論はTG-WEBのi9やSCOAの「論理」、表の読み取りはGAB系の図表理解、文字式・方程式は玉手箱Ⅲの四則逆算に近い形式です。加えて、電卓が使えない形式でも解ける計算力はどのテストでも使い回せます。