SPIの英語能力検査(ENG)と構造的把握力検査とは|出る形式・検査時間・対策の優先順位
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SPIには、多くの人が受ける「性格検査+基礎能力検査(言語・非言語)」のほかに、企業が任意で追加できる2つの検査があります。英語能力検査(ENG)と構造的把握力検査です。 この2つは情報が少なく、「受けることになったが何をすればいいか分からない」という状態になりがちです。ただ、リクルートマネジメントソリューションズは測定内容と出題形式を公式に説明しており、検査時間も料金表から算出できます。分かっていることは意外に多いのです。 この記事では、公式に公表されている情報だけを使って、2つの検査が何を測っているのか、いつ実施されるのか、どう準備すればいいのかをまとめます。結論を先に書くと、どちらも「受けると決まってから」対策すれば間に合う検査です。優先すべきは基礎能力検査のほうです。
この記事で分かること
先に要点だけ挙げます。いずれも公式に公表されている情報から確認できることです。
- この2つは全員が受けるわけではない。実施するかどうかは企業が選ぶ
- 自分が受けるかどうかは、テストセンターの日程・会場を予約する時点で分かる
- 構造的把握力検査はテストセンターでしか実施されない。Webテスティング・ペーパーテスティングと分かっているなら対策不要
- 英語能力検査にリスニングとスピーキングはない。測定範囲は語彙・文法をベースとした読解
- 対策の優先順位は「基礎能力検査 → 受けると確定した検査 → 志望業界から可能性が高い検査」の順
- どちらも受けると決まってから対策して間に合う。ただし構造的把握力は形式に慣れているかで差が出る
SPIの検査構成
SPIは4つの検査からできています。このうち下2つが、企業が任意で追加するオプションです。 SPI3 ├─ 基礎能力検査(言語・非言語)… ほぼ必ず実施 ├─ 性格検査 … ほぼ必ず実施 ├─ 英語能力検査(ENG)… 企業が選択。テストセンター/ペーパー └─ 構造的把握力検査 … 企業が選択。テストセンターのみ 2つのオプション検査は、単独では実施されません。英語能力検査が課される場合の組み合わせは「性格+基礎能力+英語」または「性格+基礎能力+構造的把握力+英語」であることが公式に示されています。つまりオプションが増えても、基礎能力検査は必ずついてきます。ここが対策の優先順位を決める根拠になります。
2つの検査を並べて比較する
似た位置づけの検査ですが、実施される形式も準備の方向も違います。
| 英語能力検査(ENG) | 構造的把握力検査 | |
|---|---|---|
| 実施形式 | テストセンター/ペーパーテスティング | テストセンターのみ |
| 検査時間 | 20分(ペーパーは30分) | 20分 |
| 出題数 | 30問程度 | 公式に記載なし |
| 解答形式 | 選択肢式 | 選択肢式 |
| 前提知識 | 高校卒業レベルの単語・文法 | 不要 |
| 測定するもの | 語彙・文法をベースとした読解力 | 情報の共通性・関係性を構造的に把握する力 |
| 当サイトの収録 | 10問+カード45枚 | 40問 |
検査時間は公式の料金表から算出。出題数・前提知識・測定内容は就職準備応援サイトの記述による。難易度や受検者数は公表されていないため記載していません。
まず、自分が受けるかどうかを確認する
この2つの検査は、実施するかどうかを企業が選びます。全員が受けるわけではありません。 リクルートマネジメントソリューションズの説明によれば、どの検査を受検するかはテストセンターでの日程・会場を予約する際に分かります。企業によっては、受検案内のメールで事前に知らせてくれる場合もあります。 つまり、案内メールが届いた段階で確認できるということです。予約画面まで進めば確実に分かるので、その時点で対策の要否を判断してください。
- 英語能力検査が課される場合の組み合わせ ― 「性格+基礎能力+英語」または「性格+基礎能力+構造的把握力+英語」
- 構造的把握力検査は、テストセンターの受検にのみ対応している
- 英語能力検査は、テストセンターのほか、ペーパーテスティングでも単体で実施されることがある
英語能力検査(ENG)とは
英語能力は、語彙・文法の理解力とそれを用いる際の流暢さをベースとして、読解力・文章表現力・口頭表現力・聞き取り能力の4技能で構成される、というのが公式の説明です。そのうち英語能力検査が測っているのは、ベースとなる部分と読解力です。 言い換えると、書く・話す・聞くは測定範囲外です。リスニングやスピーキングの対策は必要ありません。
- 検査時間は20分。この間に30問程度が選択肢式で出題される(1問あたり約40秒)
- 出題は3種類 ― 語彙力を問う問題(同じ意味の単語を選ぶ)、英文の穴埋め、長文読解
- 必要とされる単語・文法の知識は、高校卒業レベルを想定して開発されている
- テストセンターでは、基礎能力検査と同じく受検者の回答に応じて次の問題が決まる
- ペーパーテスティングで単体実施される場合は30分
英語能力検査が実施される企業
公式の説明では、入社後に英語での業務が必要となる企業、たとえばグローバルに事業を展開している企業や、諸外国と深く関わっている企業などで出題される傾向がある、とされています。 裏を返せば、そうした志望先がないなら受ける可能性は低い検査です。志望業界がはっきりしているなら、対策の優先順位はかなり下がります。逆に商社・メーカーの海外部門・外資系などを受けるなら、遅くとも案内メールが来た時点で準備を始めてください。
英語能力検査の対策の考え方
測定範囲が「語彙・文法をベースとした読解」に限定されているため、対策も絞れます。 1問40秒という時間配分を考えると、長文で立ち止まらないことが最も重要です。そのためには語彙が土台になります。単語が分からないまま長文に入ると、推測に時間を取られて時間切れになります。高校卒業レベルという想定なので、大学受験で使った単語帳があればそれが最短の教材です。 注意点として、TOEIC対策とは重点が違います。リスニングがなく、ビジネス文書特有の表現も前提にされていません。TOEICのスコアが高くても、語彙が抜けていれば読解速度は落ちます。
構造的把握力検査とは
構造的把握力検査は、ものごとの背後にある共通性や関係性を、構造的に把握する力を測定する検査です。公式の説明では、情報を俯瞰的に捉えて自分なりに分類・整理したり、未知の問題を過去の経験と関係づけて理解したうえで、すでに獲得している知識を応用して対応策を考えたりするのに必要な力、とされています。 検査時間は20分です(料金表でSPI3-USとSPI3-Uの差を取ると20分になります)。 この検査の特徴は、答えを計算するのではなく、問題どうしの関係を答えることです。個々の問題を解く必要はありません。
出題は2つのパターンに分かれる
公式サイトに掲載されている問題例から、出題は次の2種類に整理できます。当サイトもこの2分類でデータを収録しています。
- 非言語系 ― 4つの文章題が示され、「問題の構造が似ているものの組み合わせ」を選ぶ。たとえば「全体のなかである分類に属するものの割合が示され、さらにそのなかの部分集合の割合を問う」という構造が共通しているものどうしを選ぶ
- 言語系 ― 複数の文章や会話が示され、内容の性質でグループ分けする
基礎能力検査との違い
公式は、この2つが測っている力の違いをはっきり説明しています。 基礎能力検査で測っているのは、既知の正しい手順に沿って解を導き出す力です。非言語であれば、与えられた設定や数値情報を理解し、適切な解法を適用して四則演算を行い、解を算出することが求められます。 対して構造的把握力検査では、与えられた情報の構造を自分なりの観点で捉えなおし、複数の可能性があるなかから共通の構造を見出すことが求められます。手順を当てはめるのではなく、観点を作るほうの力ということです。 両者の得点には一定の相関があるものの、基礎能力検査の得点が高くても構造的把握力検査の得点が低い人、その逆の人もいる、と公式は説明しています。基礎能力の対策をしただけでは自動的にカバーできないということなので、受けると分かったら問題形式に触れておく価値があります。
当サイトの40問を分析すると、分類の観点は4種類しかない
構造的把握力検査は「何を手がかりに分類すればいいのか分からない」と感じやすい検査です。そこで、当サイトが収録している40問を分類の観点で整理してみました。 結果として、観点は4種類に集約されます。言語系20問は「文の種類」と「論理的関係」の2つ、非言語系20問は「解法の構造」と「未知数の要否」の2つで、それぞれ10問ずつです。全40問が5択でした。 言い換えると、初見の問題でも試す観点は多くありません。「これは事実か意見か」「因果関係でつながっているか」「計算の型は同じか」「方程式を立てる必要があるか」。この4つを順に当ててみるだけで、多くの問題は分類の軸が見つかります。手当たり次第に共通点を探すより、はるかに速く方針が立ちます。
- 文の種類分類型(言語10問)― 事実の記述か、意見・主張か、といった文の性質で分ける
- 論理的関係型(言語10問)― 因果関係でつながっているか、並列か、といった文どうしの関係で分ける
- 解法パターン分類型(非言語10問)― 単純な掛け算か、割合の計算か、といった計算の構造で分ける
- 未知数要否型(非言語10問)― 方程式を立てて未知数を求める必要があるかどうかで分ける
ただし、解答の形は2通りある
ここは正直に書いておきます。当サイトが収録している40問は「ア〜オのうち、他の4つと性質(構造)が異なるものを1つ選びなさい」という、仲間はずれを選ぶ形式です。 一方、公式サイトに掲載されている問題例は「ア〜エのうち、問題の構造が似ているものの組み合わせを、A〜Fから1つ選びなさい」という、ペアを選ぶ形式になっています。 問われている思考は同じです。どちらも「構造で分類できるか」を見ています。ただし解答の形が違うので、本番で組み合わせ型が出ても戸惑わないように、この違いは頭に入れておいてください。上に挙げた4つの観点は、どちらの形式でも同じように使えます。
当サイトの収録データ
オプション検査にあたる4分野の収録状況です。構造的把握力検査がテストセンターでのみ実施されること、英語能力検査がテストセンターとペーパーテストで実施されることは、公式の料金表に載っている実施形式と一致しています。
| 分野 | 出題内容と対応形式 | 問題数 |
|---|---|---|
| 単語・文法(空欄補充) | 語彙・文法の空欄補充。フラッシュカード45枚で対策(問題は未収録)/テストセンター・ペーパーテスト | 0問 |
| 長文読解 | 長文読解。要旨の把握が中心/テストセンター・ペーパーテスト | 10問 |
| 非言語分野(論理の構造把握) | 文章題を構造の似ているものどうしに分類/テストセンター専用 | 20問 |
| 言語分野(文章の構造把握) | 文章・会話を内容の性質でグループ分け/テストセンター専用 | 20問 |
対策の優先順位
限られた時間をどう配分するかという観点では、答えははっきりしています。 第一に基礎能力検査です。実施企業がはるかに多く、この2つの検査を実施する企業でも基礎能力検査は必ず併せて実施されます。基礎能力検査が仕上がっていない段階でオプション検査に時間を使うのは、明らかに非効率です。 第二に、受けると確定した検査です。予約画面で確認できるので、そこから対策を始めても遅くありません。とくに構造的把握力検査は「問題形式に慣れているか」の影響が大きく、数問解いておくだけでも本番の戸惑いが減ります。 第三に、志望業界から可能性が高いと分かっている検査です。グローバル展開の企業を中心に受けるなら、英語能力検査は先回りして語彙の確認を始めておく価値があります。
前回結果送信は、検査ごとに選べる
テストセンターには、過去1年以内の受検結果を別の企業に送信できる仕組みがあります。この仕組みは、性格検査・基礎能力検査・構造的把握力検査・英語能力検査のそれぞれについて、新たに受検するか前回結果を送信するかを選べます。 公式サイトでも「性格検査と能力検査は前回結果送信を利用して、英語能力検査のみ会場に行って受検する」という使い方が例示されています。オプション検査だけを受け直せるということです。 なお、新たに受検したのか前回結果を送信したのかが企業に通知されることはありません。また、受検者には得点が開示されないため、前回の出来を根拠に判断することはできない点には注意してください。
この記事の根拠について
英語能力検査の測定内容・出題形式・「20分間で30問程度」「高校卒業レベル」という記述、および構造的把握力検査の測定内容・基礎能力検査との違い・問題例は、いずれもリクルートマネジメントソリューションズの就職準備応援サイト(2026年7月時点)に掲載されている内容です。 構造的把握力検査の検査時間20分は、SPI3公式サイトの料金表でSPI3-US(性格+基礎能力+構造的把握力)が85分、SPI3-U(性格+基礎能力)が65分であることから算出しました。両方を含むSPI3-USEが105分であることとも整合します。 一方、構造的把握力検査の出題数は公式に公表された情報を確認できませんでした。就活情報サイトでは20問という数字が流通していますが、本記事では扱いません。
読んだら、まず10問だけ解いてください
構造的把握力検査は、知識ではなく形式への慣れで差がつく検査です。解説を読むより、実際に数問解いて「分類の観点を探す」感覚をつかむほうが早く進みます。 10問解いてみて、観点が見つからず手が止まるようなら対策を継続する。すんなり分類できるなら、基礎能力検査に戻る。この判断のために解いてください。
よくある質問
Q.英語能力検査は必ず受けることになりますか?
A.いいえ。実施するかどうかは企業が選びます。公式の説明では、入社後に英語での業務が必要となる企業、たとえばグローバルに事業を展開している企業や諸外国と深く関わっている企業などで出題される傾向があるとされています。自分が受けるかどうかは、テストセンターの日程・会場を予約する際に分かります。企業によっては受検案内のメールで事前に知らせてくれる場合もあります。
Q.英語能力検査にリスニングはありますか?
A.ありません。英語能力は語彙・文法をベースに読解力・文章表現力・口頭表現力・聞き取り能力の4技能で構成されますが、英語能力検査が測定しているのはベースとなる部分と読解力です。出題されるのは語彙、英文の穴埋め、長文読解の3種類で、いずれも選択肢式です。リスニングやスピーキングの対策は不要です。
Q.TOEICの勉強でSPIの英語能力検査に対応できますか?
A.部分的には重なりますが、重点が違います。英語能力検査にはリスニングがなく、必要とされる単語・文法の知識は高校卒業レベルを想定して開発されています。20分で30問程度、1問あたり約40秒という配分なので、長文で止まらない語彙力が最も効きます。大学受験で使った単語帳を見直すほうが、TOEIC教材より効率的な場合があります。
Q.構造的把握力検査は対策できますか?
A.できます。この検査で問われるのは「与えられた情報の構造を自分なりの観点で捉えなおし、複数の可能性のなかから共通の構造を見出す」力で、計算して答えを出す力ではありません。個々の問題を解く必要がないという点に慣れているかどうかで、本番の戸惑いが大きく変わります。当サイトでは言語系・非言語系あわせて40問を収録しているので、形式に触れておいてください。
Q.基礎能力検査の対策をしていれば、構造的把握力検査もできますか?
A.自動的にはカバーできません。公式は、両者の得点に一定の相関はあるものの、基礎能力検査の得点が高くても構造的把握力検査の得点が低い人、またその逆の人もいると説明しています。基礎能力検査は既知の手順に沿って解を導く力を、構造的把握力検査は情報の構造を捉えなおす力を測っており、種類の異なる能力とされています。
Q.構造的把握力検査はWebテスティングでも出ますか?
A.出ません。テストセンターでの受検にのみ対応しています。公式の料金表でも、構造的把握力検査を含む商品(SPI3-US・SPI3-USE)はテストセンターの列にしか金額と時間が記載されていません。Webテスティングやペーパーテスティングを受けると分かっている場合、この検査の対策は不要です。