SPI非言語に必要な数学はどこまで?|中学レベルの5単元と分野別の逆引き表
SPIの非言語で手が止まるとき、原因は2つに分かれます。「SPI特有の解法を知らない」か、「その手前の数学が曖昧」かです。 後者だった場合、解法だけを覚えても点は伸びません。ただし安心してほしいのは、SPIで必要な数学の範囲が想像よりずっと狭いことです。微分積分も三角関数も対数も数列も出ません。中学レベルの5単元で、非言語419問のほぼすべてに対応できます。 このページでは、当サイトが収録している非言語16分野それぞれに「どの単元が必要か」を逆引きできる表と、最短の復習手順をまとめました。
必要なのは、実質5単元だけ
SPI非言語の全16分野を分解すると、土台になる数学は次の5単元に集約されます。学習する順番も、この並びが最も効率的です。
- 割合(小学5年〜中学1年)― 最重要。損益算・料金割引・仕事算・表の読み取りまで波及する
- 一次方程式・連立方程式(中学1〜2年)― 「わからないものをxとおく」発想
- 速さ・時間・距離(小学5年〜)― 単位変換でつまずく人が最も多い
- 比と比例式(中学1年)― 内項の積=外項の積。割合とセットで効く
- 場合の数と確率(中学2年)― 数え上げの基本
これに加えて、補助的に2つ
上の5単元でカバーしきれない分野が2つだけあります。どちらも軽い内容なので、必要になったときに確認すれば十分です。
- 平均(小学5年)― 「平均×個数=合計」の変形だけ。平均の分野で使う
- 整数の性質=約数・倍数(中学1年)― Webテスティング特有の「整数の推測」で使う
高校数学は必要ありません
SPIの非言語では、微分積分・三角関数・対数・数列・ベクトル・複素数といった高校数学の単元は出題されません。「数学が苦手だからSPIは無理」と考えている人の多くは、実際には出題されない範囲を想像しています。 唯一まぎらわしいのが「場合の数」で使う順列(nPr)や組合せ(nCr)の公式です。これは高校数学Aの内容ですが、SPIでは公式を知らなくても書き出しや樹形図で解けます。公式を使うと速いので、余裕があれば覚える、という位置づけで構いません。 「集合」の分野も同様で、数学的な集合論は不要です。ベン図を描いて数を数えられれば解けます。
分野別・必要な数学の逆引き表
非言語16分野それぞれに、どの単元が必要かをまとめました。苦手な分野から逆算して、復習すべき単元を特定できます。
| 分野 | 必要な数学 | 問題数 |
|---|---|---|
| 割合と比 | 割合 / 比と比例式 | 42問 |
| 損益算 | 割合 | 43問 |
| 速度算 | 速さ / 一次方程式 | 42問 |
| 確率 | 場合の数と確率 | 42問 |
| 推論 | 不要(条件整理の論理のみ) | 58問 |
| 集合 | 不要(ベン図の読み取り) | 32問 |
| 仕事算 | 割合 / 分数の計算 | 22問 |
| 場合の数 | 場合の数と確率 | 22問 |
| 料金割引 | 割合 | 22問 |
| 代金の精算 | 四則計算のみ | 12問 |
| 表の読み取り | 割合 / 平均 | 12問 |
| 長文読み取り計算 | 割合 / 四則計算 | 12問 |
| 整数の推測 | 整数の性質(約数・倍数) | 12問 |
| 文字式・方程式 | 一次方程式 / 連立方程式 | 12問 |
| 年齢算 | 一次方程式 | 12問 |
| 平均 | 平均 | 22問 |
30秒でできる自己診断
次の3問が、解き方を思い出しながらでも解けるなら、土台はできています。1問でも手が止まったなら、その単元から復習してください。
Q1. 定価800円の商品を3割引きで買うと、支払額はいくらか。(割合)
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560円。3割引き=定価の7割なので、800×0.7=560。「3割を引く」と考えて800−240としても同じ結果になります。ここで迷った人は、割合の復習が最優先です。
Q2. ある数に4を足して3倍すると27になる。ある数はいくつか。(一次方程式)
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5。ある数をxとおくと (x+4)×3=27。両辺を3で割ってx+4=9、よってx=5。「わからないものをxとおく」という発想が出てこなかった場合は、一次方程式の復習が必要です。
Q3. 時速60kmで90分走ると、進む距離は何kmか。(速さ)
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90km。90分=1.5時間なので、60×1.5=90。90分をそのまま掛けて5400kmとしてしまう単位変換ミスが、この分野で最も多い失点原因です。
単元別・復習のポイント
5単元それぞれについて、SPIで問われる範囲に絞った要点です。教科書を1章まるごと読み直す必要はありません。
1. 割合(最優先)
SPI非言語で最も波及範囲が広い単元です。ここが曖昧なまま先に進むと、損益算・料金割引・仕事算・表の読み取りのすべてで詰まります。
- 基本の式は「もとにする量 × 割合 = くらべる量」の1つだけ
- %と歩合の変換:1割=10%=0.1、1分=1%=0.01
- 「〜の3割増し」は ×1.3、「〜の3割引き」は ×0.7
- 最大の落とし穴は『何をもとにするか』。「原価の2割の利益」と「定価の2割引き」では基準が違う
2. 一次方程式・連立方程式
「わからないものをxとおいて、問題文を式に翻訳する」という手順そのものが本体です。計算技術より、日本語を式に置き換える練習が効きます。
- 「〜より3多い」は +3、「〜の2倍」は ×2、と機械的に翻訳する
- 移項するときは符号が変わる(左辺の+3は右辺で−3になる)
- 連立方程式は、代入法と加減法のどちらか一方を確実にできれば十分
- 年齢算・文字式の分野はこの単元がそのまま出る
3. 速さ・時間・距離
公式そのものは単純ですが、単位変換のミスで落とす人が非常に多い単元です。計算に入る前に単位をそろえる習慣をつけてください。
- 「速さ×時間=距離」の1本から、時間=距離÷速さ、速さ=距離÷時間を導ける
- 分を時間に直す:90分=1.5時間、20分=1/3時間
- m/分 と km/時 の変換:時速60km=分速1000m
- 往復の平均速度は「(行き+帰り)÷2」ではない。必ず総距離÷総時間で計算する
4. 比と比例式
割合とセットで身につけると、非言語全体の処理速度が上がります。とくに複数の比をつなげる操作は頻出です。
- a:b=c:d のとき ad=bc(内項の積=外項の積)
- 比を合成する:A:B=2:3、B:C=4:5 のとき、Bを12にそろえてA:B:C=8:12:15
- 「比の1つ分」を求めてから各項に配分する手順を固定する
5. 場合の数と確率
数え上げの基本さえ押さえれば、SPIの範囲は十分に対応できます。公式に頼りすぎないほうが、初見の問題に強くなります。
- 「順番が入れ替わったら別のケースか」で順列か組合せかを判断する
- 確率=(あてはまる場合の数)÷(起こりうるすべての場合の数)
- 「かつ」は掛け算、「または」は足し算
- 「少なくとも1つ」は、1から余事象の確率を引く
復習にかかる時間の目安
5単元すべてを復習しても、合計3〜5時間程度です。上から順に進めてください。割合と一次方程式の2つだけでも、非言語16分野のうち10分野に効きます。 注意点として、数学の復習に何日もかけるのは避けてください。SPIは「数学の実力」より「SPI特有の解法を知っているか」で差がつく試験です。土台が固まったと感じたら、早めに分野別の演習へ移ってください。
よくある3つの誤解
SPIの数学について、多くの人が持っている思い込みを整理します。
- 「数学が苦手だからSPIは無理」― 必要な範囲が狭いので、そこだけ復習すれば済みます。文系・理系による有利不利も、対策の有無に比べれば小さい差です
- 「計算が速くないと点が取れない」― 計算速度より、解法を知っているかどうかで差がつきます。同じ問題でも、型を知っていれば計算量そのものが減ります
- 「まず高校数学から復習すべき」― 不要です。出題されない範囲に時間を使うことになります
よくある質問
Q.文系なのですが、SPIの非言語で不利になりますか?
A.対策の有無に比べれば、文理の差は小さいと考えてください。SPIで出題されるのは中学レベルの5単元で、高校数学は使いません。理系が有利に見えるのは数学的な素養そのものより、計算に対する心理的な抵抗が少ないことが大きいためです。この記事の5単元を復習すれば、その差は埋まります。
Q.数学の復習にどれくらい時間をかけるべきですか?
A.合計3〜5時間を上限の目安にしてください。それ以上かけるなら、分野別の演習に移ったほうが得点は伸びます。SPIは数学の実力を測る試験ではなく、決まった型の問題を時間内に処理できるかを見る試験だからです。自己診断の3問が解けるなら、復習は飛ばして演習から始めて構いません。
Q.計算が遅いのですが、どうすればいいですか?
A.計算そのものを速くするより、計算量を減らす解法を覚えるほうが効果的です。たとえば「3割引き」を800−240と2段階で計算するより、800×0.7と1段階で計算するほうが速く、ミスも減ります。分野別の解き方ガイドで、各分野の最短手順を確認してください。なお、テストセンターでは電卓が使えないため、筆算の練習は必要です。
Q.電卓は使えますか?
A.受検形式によって異なります。自宅で受けるWebテスティングでは電卓の使用が認められていますが、会場で受けるテストセンターでは使用できません。テストセンターを受ける可能性があるなら、学習の段階から電卓に頼らず解く練習をしておいてください。